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蝶々と甘い蜜。
第6章 蝶が羽ばたくとき
「ふふふ、これ全部食べるの大変ね。」


女性が悪戯っぽく微笑みながら話しかけてきた。


「え!?あ、賞味期限が今日のもある!すいません、俺余った分は食べますから!」


「ふふふ…あ、ごめんなさい。福田さんの気持ちが嬉しくてつい…全部食べます。食べて元気出さなきゃ。」


「笑った……」


「え?」


「宮園さんが笑った……」


大笑いしたわけじゃないけど
前笑ったのはいつだったんだろう。
自分でも忘れている。
いつも不安で、泣いている生活だったから。


「あの…お世話になりました。」


「ううん、元気になってよかった。それに素敵な彼ね。あなたのことを思っていて。」


「あ……はい。あの!お礼がしたいのですが……」


「お礼なんて……でも、今度ご飯一緒に食べに行きたいかな。割り勘で。友達がいなくて寂しかったから。」


「私でよかったら……」


連絡先を交換してお店を出たが、笑顔で手を振っていてくれる。


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