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蝶々と甘い蜜。
第7章 歯車が狂うとき
「終わったんでしょ……恭弥さんと。」


「……うん。もう……耐えられなかった。三島さんのこと、好きだったのっ……。」


「ちゃんと……自分の気持ち伝えられた?」


「うん……好きって言ったら契約終了だったから、好きって伝えたよ。」


「ならよかった。」


涙をぬぐいながらくしゃくしゃっと笑う智美を、目の前のテーブルがなかったら強く抱きしめていたと思う。泣くのを必死に我慢している私の代わりに泣いてくれて、本当はいつも心配をしてくれた智美には、感謝の気持ちでいっぱいだ。


「今日、夜飲みに行こうか!」


「でも、明日仕事だから……」


「いいじゃん!行こう行こう!それに……」


「それに…?」


「引っ越すんでしょ?」


「智美……」


智美みたいな、いつも私を見守ってくれる優しい友達は、きっともうできないと思う。週に1回は会ってきた友達だからこそ、会えなくなるのは寂しすぎる。だけど、それ以上に……ここにいるのが今の私には辛い。


「結婚式には来てよね……あと、新婚旅行は、結衣が住んでいるところにする。」


「智美……うん、うん、連絡する。結婚式にも参加する。」
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