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蝶々と甘い蜜。
第11章 青いバラ
もう……こんな日なんて来ないと思っていた。


三島と再会できること。
そして、三島に本当に愛してもらえるなんて。


「そのルージュ、つけてくれているんだな。」


「すごく気に入っているんです。もう、三島さんに頂いたのは使い切ってしまったんですけど……っ」


ひんやりとした指先が唇を
丁寧になぞってくる。
それだけでゾクッとする自分がいる。
それと同時に子宮の奥がどんどん熱くなるのを感じる。
やっぱり私は、悔しいけど、三島でなければダメなんだ。


親指でそっと下唇をなぞりながら
そっと親指の先端を歯の隙間に指をいれて
私の口を自然に開かせる。


じれったいけど
どこまでもスマートな三島は変わっていない。


「んっ……」


冷たい指先とは反対に
三島の舌はいつも温かい。
10年ぶりのキスに涙が溢れ出てくる。


今までは“悲しい”や“寂しい”という感情での涙が多かった。
今は、嬉しくて……人は嬉しい時も泣けるものなんだ。
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