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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第6章  〝愛〟を知らない
  


「珱月さま、先生をお連れしました。」


「っ!!?」


 ほんの少しの間に眠りに落ちていた。


「そのままで。」


「は、い・・・・・・」


 起き上がろうとすると制止された。


「気分は、いかがですか?」


「怠いです。」


「判りました。注射をしておきましょう。」


「はい。」


 物腰の柔らかな人だ。


「それでは、お大事に。」


「先生、ありがとうございました。」


「いいえ。」


「珱月さま。先生を送って参りますので。」


「ええ、お願い。」


 医師とメイドを見送ってから身体を起こした。ずっと部屋の中で時間の感覚がない。
 着の身着のままに連れられて来たので所持品など皆無だ。部屋には、カレンダーどころか時計さえない。
 ただ大きな窓ガラスのおかげで朝昼夜が判る。あとは、なに一つ判らない。


  
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