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チカちゃん先生のご褒美
第1章 チカちゃんの傾向と対策

「野際くん。真面目に考えて」
「考えてんよ」

「内川君も!」
「考えてまーす」

「ううっ……このままじゃ二人とも、卒業と同時に路頭に迷うよ……!!」

 チカちゃんはそう言うと、泣きそうに眉をへの字に寄せた。

 夏休みが終わり、秋らしくなってきた放課後。
 俺と野際は、チカちゃんに教室に呼び出されていた。

 チカちゃんこと、山田知佳先生。国語科担当、俺らの担任。
 産休に入った二年の時の担任に引き継がれて、いきなり三年の担任になった、可哀想な人。担任持って一年目だから、まだ若い。

 俺も野際も何度か呼び出されてるけど、今回は二人セットだ。個人面談じゃ逃げられるからダメだって、やっと気付いたのかもしれない。

 俺らは、勉強してない組。でも就職もしたくない組。浪人する余裕も無いし、どっか入れる大学あったらいいなーみたいに思いながら、ゲームして漫画読んでお笑いのテレビ見て飯食って寝てる組。

「いい?受験制度は、毎年変わるのよ?変わってから対応するのは、難しいの!出来れば現役で受かって欲しいのよ!」
「はいはい、それ知ってる知ってるー」
「昨日もミヤジーに同じこと言われたよなー」
「宮地先生でしょっ!!」

 チカちゃんは持ってたノートで、ぱんっ!と机を叩いた。
 ……迫力が無い。
 何をしてもゆるキャラみたいに可愛いのが、チカちゃんのチカちゃんらしいところだ。
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