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チカちゃん先生のご褒美
第8章 知佳先生の奮闘

「ただいまー」
「……おかえり……」

 恋人の家で、夕食を作り終えて。

 ソファに沈み込んだまま、うたた寝してたらしい私は、恋人が帰ってきた音で、目が覚めた。

 何分経ったんだろう。起きなきゃって思うけど、体が重たい。

「知佳?どうした?」
「たろーさーん……」

 のろのろしてたら、手洗いうがいして荷物を片付けて上着を脱いだ恋人が、こっちに来てくれた。

「内川くんと、野際くん……面談したの……」
「ああ……あいつらかー」

 隣に座ってくれたから、もたれる。
 背の高さが違うから、肩にじゃなくて、胸にもたれるみたいになって、結局抱き付く。

「なんで、真剣に取り組んでくれないのかなぁ……やれば出来る子たちだと思うのに……」
「やれば、ね。やらないから出来ないなら、やらなきゃ永遠に出来ないだろ……本人達の自覚に任せるしかないな」

 よしよしって、頭を撫でられた。
 仕事の大先輩だから、つい愚痴っちゃうんだけど……今日言われた衝撃の一言も、言ってみようかな。

「あの子たちっ……お……っぱい触ったらっ、やる気でるとか、言うんだよ?!」

 これは、愚痴半分、焼き餅焼いて欲しい気持ち半分だ。

 恋人とは、同じ職場だ。女子に囲まれてるのを、よく見る。
 今は、ただ囲まれてるだけだから、彼女としては平気になりたいんだけど……なかなか、そうはいかない。すぐ妬いちゃう。
 それが、悔しい。たまには妬いて欲しい。

 そんな気持ちで、言ったのに。

「あー、そりゃ有る有るだよなー」
「え?!」

 全然妬かずに、肯定された。

「気持ちは良く分かるよ……っと」
「きゃ!?」

 抱っこされて、膝の上に乗せられる。

「知佳のおっぱいは、触ってみたくなるもんなあ」
「んっ……太郎さ……」
「よく育ったよな……いや、育てた?」
「あ、ん……だめぇ……」

 俺えらい?とか言いながら、触られる。
 力、抜けちゃう……

「……うん。触らせてみたら?」
「えええっ!?」

 恋人の、とんでもない言葉に。
 抜けた力が、一瞬で戻った。
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