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蜜な時間はあなたと共に
第8章 あの頃の姿で…

最後に見たのは、春人がここに泊まった時以来だから、1年ぶりくらいかな…
ページをめくり、高校の頃の思い出を巡っていく。

「あはは、懐かしいなぁ…」

文化祭や修学旅行の写真がやはり皆の笑顔が輝いている。
だけど、どの写真に写る私は仏頂面で面白くなさそうにしている。

あの頃は家に居場所が無いように感じて、友達が居ながらも孤独感に苛まれていた。

「はぁ…」

人生の中で1番楽しい時期を私は逃してしまっていた。

…出来ればあの頃に戻って、青春をやり直したい…

「………」

私は不意にクローゼットから高校の制服を探し出した。

「まだ有った…」

何年か前にお母さんがクリーニングに出してくれたのだろう。
ビニールに包まれたそれを取り出し、ビニールを外して、服を脱いで袖を通した。

「ん、ちょっと太ったかな…少しだけキツくなってる…」

ボタンを付けて、スカートを履いて鏡の前に立ってみた。

……やっぱり変わってない……

「はぁ…喜んでいいのか、まだまだ子どもだとショックを受けていいのか…」

私はベッドに寝転がり、目を閉じた……




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