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蜜な時間はあなたと共に
第2章 スーツ姿でデート

「フェスで上手く歌えるか不安?」
「えっ!?何で?」
「何でって、彼女だから表情見てたら分かるよ」
「……」

図星だったのか、はぁっと息を吐いて春人は呟いた。

「2ヶ月も期間空けてから活動再開するって事無かったやん?ステージに立つ俺らを待ってくれてる人らが居てくれてるんかなって思って…それに、休止前のライブなんて散々やったし、アレで皆ガッカリしてるんちゃうかなって…」

いつになく弱気な春人に、かける言葉が見つからない…
「大丈夫」なんて安っぽい言葉はかけられない…

「俺らは待ってくれてるってファンの子ら信じてるけど、今の音楽シーンはいっぱいアーティストが居てるから、あっという間にそっちに持っていかれてそうで…」

その先の言葉を発するのが怖いのか黙ってしまった。
駅のホームに着くと、端の方に設置されたベンチに座った。

「春人…私ね、今度のWind Hill、Blue Eyesが出演する初日に行くんだ」
「復帰後初のライブに!?てか、来るって初めて聞いたんやけど…」
「内緒で観に行こうと思ったけど、弱気になってる春人を見ると、言いたくなったの」




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