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第3章 嫉妬

「そう言えば、佐伯の奴・・社内一の美人と付き合っているんだと・・！」

夕食の最中、私はいきなり佐伯の話題を出した。

「え・・？そうなんですか？」

恵理子は驚いたようだった。

「佐伯さんて・・この前来たイケメンの人？」

小学5年生の愛莉が口を挟んできた。

娘は母親に似て整った顔立ちをしていた。

大人になったら、さぞかし美人になるだろうと思っていた。

「うん、そうよ！あのカッコいい人！やっぱり、そうですよ。背が高くてイケメンなんだし・・回りの女性が放っておかないでしょう」

恵理子が笑顔を見せたが、その間、一瞬だけ動揺していたのが見てとれた。

「しかし、羨ましいよな。イケメンに生まれてくれば女性にはモテるし、選びたい放題、やりたい放題だろうからな」

「そんな事もないでしょうけど・・」

「おまえだって美人に生まれて得した事もあるだろ？」

「えー？私ですか・・？私は何も得なんかしていませんよ」

恵理子が顔を捻って唇を尖らせた。

「ママは美人だよ。クラスの男の子達も愛莉のママは美人だって、皆言ってるよ」

「えー？そうなの・・？それは嬉しいけど、でもママなんかより綺麗な女性はたくさんいるから・・」

恵理子はそう言って娘に微笑んでいた。