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MILK&honey
第22章 いつ、どこで、どんな風に出会っても、

「かーさんは、ヒカリさんだよね?」

「……うん。」

 不本意ながら、うん。

「ヒカリさんは、私だけじゃなく、たくさんの人から好かれてるよね?……それなのに、私で良いの?」

「……なんで?逆に、なんでダメと思うの?」

「今でも、たくさんファンが居るけど……もし男の人だって分かっても、ファンになる人、たくさん居ると思う」

 だってかーさん素敵だから。という、自分に異常に都合の良い、溜め息みたいな呟きが聞こえた……気がしたけど、多分気のせいだ。

「その中に、私よりずっと素敵な人も、綺麗な人も、大人な人も、仕事出来る人も、料理が上手い人も、居ると思うの。普通のファンの人以外でも、芸能界とか、有名な人の中にだって、きっとかーさんの事好きになる人が」

「るりちゃん」

 息継ぎを忘れたみたいに話し続けて顔が赤くなって来たるりちゃんを、遮って止めた。

「……なに?」

「どんな人が、どこに居ても、もしかして俺のこと好きになってくれても、俺は、るりちゃんが良いんだ。」

「……でも……」

「あのさ?
 ……俺は、
 嫌がらせに意地張って我慢して、
 芸能人が嫌いで、
 嫌味な兄貴が居て、
 その兄貴には強気な妹で、
 魔法みたいにご飯作ってくれて、
 時々子どもで、
 時々説教臭くて、
 時々意地悪で、
 いつもすげー頼りになって、
 たまにすげー勘違いして、
 何も言わずにひとりで勝手に消えやがったりして、
 女の子とちゅーとかぎゅーとかしてやがって、
 綺麗で、
 可愛くて、
 何してても許せちゃう様な、
 ……そんなるりちゃんが、良いんだ。」

「……かーさんっ……」

 とっさに思い付く限り、並べ立てたら。
 やっとるりちゃんが、笑ってくれた。
 
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