この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
MILK&honey
第5章 名前、呼んだら駄目?

 落ち着こう、俺。とにかく、落ち着こう。
 るりちゃんに、なんか飲み物でも作ろう。

「ああ……それ、高校のジャージだからねー。巧も着てたでしょ?」

 そう。るりちゃんに貸したのは、俺達の高校のジャージだ。多分巧も朔もとっくに捨ててる様なヤツだ。カマキリの様な、緑色のジャージ……生徒からはカマジャーと呼ばれて、忌み嫌われていた。

「ミルクティー、飲む?甘いの平気?」
「ありがとうございます」

 そんな忌まわしい服に着替えたって、るりちゃんはカマジャーなんかに負けないくらい美しい。 

「はい、どうぞ。」

 差し出したのは、濃縮の紅茶を牛乳で薄めただけの手抜きミルクティーなんだけど。
 るりちゃんは一口飲んで、ほっと息を吐いた。

「……すごく、おいしい……」
「良かった。巧も好きだから、るりちゃんも好きかなって」
「……お母さん……」
「えっ」

 俺、お母さんかよ。
 お兄さんですらねー、お母さんになっちまったのか。
 お母さんと思われてるんじゃ、手なんか出せねー。出しても無駄だ、「お母さん」なら。
 面倒見良すぎんのも、考えもんだな……

 ……と、思ったら。
 「お母さん」には、続きが有った。

「これ……お母さんが作ってくれたのと、似てる……」

 そう言うと、るりちゃんはぽろっと涙を零した。
/325ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ