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MILK&honey
第5章 名前、呼んだら駄目?

 ブーッブーッブーッ。


 ……どこかで、スマホが鳴っている……。


 自分のかもしれないが、無視だ無視。
 俺は今、るりちゃんを怖がらせない様にミリ単位で距離を詰めていくのに、全力で集中している。

 鼻先が、触れそうになる。
 るりちゃんが、そっと目を伏せた。
 ……良いの?!
 良いのか?!
 良いって事だと勝手に思っとく!!
 あと、少し……
 
 

 ピンポンピンポンピンポーン。


 ……今度は、ドアチャイムが鳴った。

 ドアチャイムって、鳴るんだな……。
 今まで、鳴ったこと有ったっけ。
 そんなもん、自力で中に入って、自由に動ける人間にしか、鳴らせないか……ら……

「……ごめんっ。誰か、来た。」

 乱暴にならないように、でも出来るだけ急いで、るりちゃんから自分を引き剥がす。

「ごめんね。ほんと、ごめん」

 るりちゃんは俺をじっと見ると、ぷるぷる首を振った。首を振ると、髪が揺れる。
 着替えた時、三つ編み解いたのか……今気が付いた。髪をおろしたるりちゃんは、可愛いっていうより、色っぽい。色々想像しそうになる。

 ピンポンピンポン、とまたドアチャイムが鳴る。

 ……うるせぇよ。
 とは、言ってられない。

「ごめん。ちょっと、待ってて」

 るりちゃんが、こくんと頷く。いちいち可愛い。
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