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MILK&honey
第5章 名前、呼んだら駄目?

「……あのひとは、お父さんの奥さんだけど、お母さんじゃない。お母さんじゃないだけじゃなくて、私と家族になる気もない」
「るり」

 巧は妹の名前を、辛そうに口から絞り出した。

 巧が家から出たのは、父親不在の時に義理の母親に遠回しにエロい事に誘われたからだと、聞いた事が有る。その時巧はすげー疲れてすげー酔ってて、いつも以上にすげー毒吐いてたから、俺にそんな事を口走ったなんて、憶えてねーと思うけど。
 しらふの時に、ほんとかどうか確かめた事も無い。俺が知ってるって知られたら、俺か巧かどっちかの命が危ない。

「お兄ちゃんは、ずるい。私だって、あの家には居たくない」
「るり。僕だって高校までは我慢したんだ。お前も、あと少しだけ」
「お兄ちゃんは、高校で光さんたちと仲良くなったんでしょう?」
「……ああ」

 え。
 俺達、いつ仲良くなったっけ?
 ……と、突っ込める雰囲気じゃない。

「今、周りに居るのは、あんなことする子ばっかり。ああいう事して、私がどう反応するか見てるのが、楽しいみたい……私が何か言われても全部断ったせいだろうけど、どうしようもないもの」
「るり」
「負けないし相手にしないし平気そうにしてるから、腹が立つんだと思う。でも、そんな幼稚な遊びに付き合えないもの。そんな事気にしないで付き合ってくれる子なんか、ちょっとしか居ない……今はみんなクラスが違うから、一人ぼっち」

 ……ああ。辛いね、るりちゃん。
 我慢強そうな子だもんな。すごく頑張ってんだろう。家も学校も居づらいなんて、毎日どんなに苦しいだろうか。
 ぎゅーっと抱き締めて、よしよしってして、泣かせてあげたい……ここに、お兄さんが居なければ。
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