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借金のカタに妻を差し出しました
第3章 借金のカタになります
床の絨毯に、力の抜けた身体を横たえたまま、瑞樹はドアが閉まる音を聞いた。

矢那は、瑞樹を抱え上げ、ベッドルームへと向かった。

抱えられながら瑞樹の目には涙が溢れていた。

瑞樹をベッドに下ろし、矢那は、

「もう、止めますか。」と、ベッドの上の瑞樹を見下ろして尋ねた。

瑞樹は俯き無言で首を振り応えた。

「そうですよね。非道い事をされる事は判ってましたよね。」

瑞樹は顔を上げ、矢那の話を聞き始めた。

「君達2人が作った債務・・・借金だけでもどれだけか、そして2人を助けるために、幾ら遣うのか理解していれば止められるわけ、ありませんよね。」

瑞樹は、じっと矢那を見つめていた。

「私は非道い男です。でも、約束は守ります。だから、2人で責任を負って欲しいんですよ。」

そう言って、瑞樹の髪の紐を解いた。
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