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少女は愛を歌う
第9章 性的友情

『……ん…』

聖羅が目を覚ますと、そこは女の子らしい部屋だった。

神崎「起きた、聖羅ちゃん?」

『千穂ちゃん…ここは?』

神崎「私の部屋だよ。堀ちゃん先生には言っといた、聖羅ちゃん倒れてたからさ」

『え、…私…誰かにスタンガンで…』

神崎「え!?ごめん、私が早く来てたらそうならなかったのに…!」

千穂は聖羅の肩をガシッと掴んだ。

『だ、大丈夫だよ、何もされてないし…』

神崎「ならいいけど…そうだ、聖羅ちゃん 飲み物オレンジでいい?」

『うん、ありがとう』

神崎「はーい、じゃあ行ってくる!」


数分経つと千穂はジュースを持って戻ってきた。

神崎「はい、聖羅ちゃん!」

千穂からジュースが手渡される。

少し、千穂のジュースの色より濁っていたが気にせず一口飲んだ。

『ありがとう、気使わせちゃって…あのさ、無理しなくていいんだよ…』

神崎「…え?」

『私の問題なのに、千穂ちゃんを巻き込んで…本当にごめん…』

聖羅は頭を下げる。

神崎「ええ!?ちょっと頭上げてよ!大丈夫だから!…あと、その…聖羅ちゃんとのキス…嫌じゃなかったからさ…」

『……え?』

神崎「わ、忘れて!ごめん…気持ち悪いよね、女の子同士なのに…」

『ううん、ありがとう…』

聖羅が微笑む。

神崎「………私のお母さんね…風俗で働いてるの」

『……え、』

神崎「それで、気持ち悪いって言われて、小学校では親からも白い目で見られて友達なんていなかったんだ…だからさ、初めてできた大切な友達を見放す事なんて出来なかった…聖羅ちゃんが少しでも楽になるなら、私はいいよ」

『……千穂ちゃん…!』

聖羅の目には涙が浮かんでいた。

『…ありがとう…』

神崎「ほら、泣かないで…早くジュース飲みなよ、ぬるくなるよ」

『うん…』

聖羅はジュースを飲むと、身体が火照るように熱くなった。

『……ぇ…』

神崎「聖羅ちゃん…顔赤いよ?」

『あはは、何でもないよ…大丈夫』

千穂が聖羅の額を触ると、

『……ひゃぁっ!?』

神崎「……え?」
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