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遅すぎる初恋
第20章 報告
「これから、よろしくね。オレのお嫁さん」

「いやいや、何で俺が嫁なの」

「和哉のが家事とかやってくれるし、尽くすし、何となくお嫁さんっぽいじゃん」

イタズラっ子のように無邪気に笑う紫音が可愛いから「嫁は紫音の方だろ」と内心思ったが、どっちでもいいやとも思って言葉にはしなかった。

「叔父さんは俺たちの味方だよ。仕事に関しては厳しい人だけど、オレのことは本当の息子のように可愛がってくれてるんだ。今度ちゃんと叔父さんに報告しに行こうか」

「そうだな。俺も今度はきちんと挨拶したい」

紫音の唯一の家族。
会社の社長だし、緊張はするけど、紫音とのことを認めてくれる人だから、俺も真剣だってことを伝えたい。

「いつかさ、オレの生まれた国にも行きたいな。父さんと母さんのお墓もあるし、二人にも報告したいからね」

「……うん」

紫音の両親のことを考えたら胸がぎゅーと締め付けられる感じがして、また泣きそうになった。

「今すぐじゃなくていいんだけど、和哉の家族にもちゃんと報告しようよ。和哉って兄弟いるんだっけ?」

「……姉貴が二人いたよ」

俺の家族については誰にも話したことがない。
知っているのは、大学のサークル仲間の一部と友人の一部のみ。
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