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遅すぎる初恋
第20章 報告
「だから、俺の身内はもういない。今月が命日だから、報告がてら墓参りについてきてもらったらと思います」

紫音は黙ったまま俺の話を聞いていた。
誰かに話したのは数年ぶり。

「和哉にそんな過去があったなんて知らなかった。話しづらいことを言わせてごめんね」

何故か紫音が涙目で言うから、とっくに吹っ切れてるのに俺も泣けてくる。

「紫音には俺のこと全部知ってほしいと思ったから」

紫音が俺の涙を拭きながら、いつも以上に優しいキスをする。

それからは遅い夕飯を食べて、一緒に風呂に入る。
12月の今は例年よりは暖かいけど、シャワーだけは寒くて湯船にお湯をはり、二人で入る。

紫音に後ろから抱きしめられるように入る体勢は初めてで心臓がバクバクする。

「命日っていつなの?」

「25日。その時からクリスマスにいい思い出ないんだよ。まあそれまでも付き合ってる人いたわけじゃないし、特に思い出なんてもんはないんだけど」

「今年はクリスマスに良い思い出作ろうか。土曜だし仕事休みだしね」

うなじあたりに柔らかな唇を押しつけながら、耳元で言う。
ゾクっとしたのと紫音のものが当たってて、ドキドキが加速していく。

「紫音、当たってるから……」

「わざと当ててるしね」

「煽んの禁止って言ったじゃん」

顔だけ紫音の方は向けてキスをする。
舌を絡ませ、深く深く口付ける。

「のぼせる前に出ようか」

髪と身体を洗い風呂を出た。
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