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お良の性春
第2章    春風乱舞 恋のつむじ風
 驚いて指を抜くと、ヌルッとした粘液が指先に絡みつき、糸を引いて辺りを汚した。

 股間の異常を確かめると、今度は手が胸に向かう。

 乳首が固く立って肌襦袢に触れるのが痛い。優しくその先端に触れると快感が波のようにゆっくり全身に広がる。

 あたかも人体のネットワークでつながってでもいるかのように、再びお腹の芯の辺りが熱くなる。膣の中に汁が湧く。

 それは、今まで経験したことがない性的体験だった。

 お良は、夢の続きが気になった。

 妄想がお良を襲う。

 (源一郎様は、あのあと、何をなさろうとしたのだろう・・・・)

 お良は妄想を断ち切ろうと、寝返りを打った。 
 だが、寝返りを打っても妄想は消えなかった。
 朝になっても起きたくなかった。父や母の顔も見たくない。もうこのままずっと寝ていたかった。

 ご飯も食べたくない・・・ことはなかった。

 考えてみれば、昨夜から何も食べていないのだ。お腹が空いた。お良は勢いよく布団を跳ね除けて起きた。
 父や母と膳を並べて朝食を食べ、何食わぬ顔で、いままでと変わらぬ普段の暮らしを再開した。
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