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第6章 大江戸炎情　乱交の喜び

　これぞわが国開闢以来の『夫婦交換』の始まりであったかなかったかは、史実に記録が残っていない故、定かではありません。
　しかし、たぶん本邦の『夫婦交換』もこんなことから始まったのではないかと筆者は推察いたします。

　その夜、お良は深い眠りのなかで、源一郎の夢を見ました。
　それは初めてお良の夢枕に立つ源一郎の姿。
　
　「源一郎様お会いしとうございました」

　お良がそう声を掛けると源一郎は優しく微笑み、闇の中に消えていったのであります。

　その後、お良に可愛い子どもが授かったことは言うまでもありません。
　しかし、それが『秘伝』の効能であったかどうかは、神のみぞ知る。


完