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お良の性春
第4章  寝屋騒然 猛攻四十八手 新妻肉欲の目覚め
 「そういう訳にはまいりません。わたくしは未熟者故、源一郎様のお責めに耐え切れません」

 お良は源一郎の体にしがみつき、その分厚い胸に顔を埋め、甘えるように懇願する。
 思わず漏らしてしまったあの嬌声がそもそもの始まり。
 昨夜のことを思い出しながら、お良は必死だ。
 
 「わたくしが声を上げそうになったときは、そのあの、あ、愛撫を一休みして頂けませんか」
 「何を言う。ここは離れだ。お前の声など誰にも聞こえはしないさ」

 などといいつつも、どこかニヤつく源一郎の声色がお良の気にかかる。

 「何がそんなに可笑しいんですか、源一郎様」

 お良は胸に埋めた顔を上げて源一郎を睨む。

 「いや、何でもない」とまたニヤニヤする。

 「ウソ、その意味ありげな笑い顔。言いたいことがあったらはっきり言って下さい」 

 「ハハハは」と源一郎が今度は大声で笑う。

 「もう、言ってくれないんならお乳見せません」

 お良は源一郎を押しのけてクルッと背中を向ける。
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