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お良の性春
第4章  寝屋騒然 猛攻四十八手 新妻肉欲の目覚め
 「その代わり・・・」

 その夜、寝間着に着替え始めたお良に近づき、源一郎はお良の耳元でささやいたのだ。

 「その代わり、寝間着に袖を通しても、帯は結ばないで欲しい」
 「そ、そんな・・」
 「暗くては帯が解けぬ。よいな」

 躊躇するお良に源一郎は念を押して先に布団に横になる。
 お良は仕方なく、帯を締めないまま、寝間着の前身頃をきっちり重ね、両手で押さえた。

 (ああ、いやらしいわ)

 どうせ夫の手で奪われる寝間着とは思っても、端から帯も締めず横になるのがいかにも淫らな気分がしてくるのである。
 夜ごとの情交に、すっかりお良の秘め処を知り尽くした源一郎には、闇ももはや苦にならない。

 お良を抱きすくめて一回転。お良の寝間着はたちまちめくれて艶かしい裸も同然の姿。

 とはいえ、行灯は消されて暗い。

 その暗さに今までにない安心感をお良は覚えた。
 こうも夜な夜な続くと、お良にもゆとりが生まれる。
 おまけに暗い。
 このゆとりと暗さが、それまで防戦一方だったお良を豹変させる。

 「うふふ」

 お良の手がすーっと伸びて、いきなり源一郎の若木を握ぎる。

 「いつもお元気ですこと」
 「お良、しゃぶってくれんないか」

 これ幸いと源一郎もニンマリ。

 「いやーん、そんな。そんなはしたないこと出来ません」

 とか何とか言いながら・・・。

 「源一郎様がどうしてもとおっしゃるなら・・・・こう」
 
 恥ずかしそうな振りをしながらお良は布団にもぐり、反り返った一物に顔を向ける。

 「そうではない。俺を跨いで尻はこちらに向けてくれ」

 今宵の源一郎、次ぎの一手は『二つ巴』。
 今風に言えば69。
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