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お良の性春
第5章  波乱万丈 若後家 恋の旅立ち
   「さあ一杯」

 その声にお良が正面に座ると、「こっちに来なよ」と清兵衛が横に呼ぶ。
 差し出したお猪口に酒を注ぐお良の手が震えていた。

 「こんなところに急に入ってビックリしたかな」

 恥じらいながら頷くお良。

 「堅苦しいお武家さんとは違う。楽にしな。明日は祝言。その前にお前さんと話しておきたいことがある」

 「話」と言われても、こんなところで、いったい・・・。

 清兵衛がグイッとお猪口を空にする。
 
 「お前も空けナ」

 「はい」

 お良はいわれるままに酒を口に含み、ゆっくりと飲み込む。
 飲み込んだ酒が食道を刺激し、胃の腑を焼きながら下っていくのが分かった。
 一杯のお猪口の酒にお良は酔った。
 顔が火照り、体が熱くなる。
 
 すると清兵衛がお良を抱き寄せ、口移しにもう一杯の酒を口に注いだ。
 口に注がれた酒を飲み込むと、今度はお良が、清兵衛の口を吸った。
 吸われた清兵衛が吸い返す。

 口を吸われて、お良の蝶の簪がカチカチと小さな音を立てて鳴った。
 触れた清兵衛の唇がお良の唇を溶かし、体の芯を燃え上がらせる。

 「うれしいよ。清兵衛さん」

 「お良、もっと俺の口を吸ってくれ」

 そう言いながら、清兵衛の手がお良の襟元を割って乳を弄る。
 
 「いいッ、清兵衛さん」

 堪らずお良の体が仰け反る。

 「そうかい。そんなにいいかい」

 清兵衛が胸を肌けると、お良の熟れきった乳が二つ飛び出す。

 「見事な乳だ」
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