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ハデな彼に、躾けられた、地味な僕【BL】
第6章 未来の関係
「ああっ?」

うわっ、今まで聞いたことのないぐらいの不機嫌な声。

「なに、永河。お前、出て行くつもりなのか?」

しかも不機嫌なオーラまで…可視できるところが、また怖い。

「いやっ、僕が出て行くのは、キミが僕を捨てる時だって分かっているさ」

だから慌てて両手を振って、否定する。

「だからその…高校を卒業を機に、とか言ってくれると、動きやすいというか何と言うか…」

しどろもどろに言うと、紗神は頬杖をついた。

「小遣いが足りないか?」

「どこが?」

思わず言い返してしまった。

彼と暮らすようになってから、僕は一切金に不自由しなくなった。

それもそのはず。

紗神からブラックカードを渡され、リビングに置いてある箱には万札が入れてあり、いつでも好きなだけ持っていけと言われた。

どれだけお札を持っていっても、すぐに足された。

贅沢な暮らしに慣れてしまった自分が怖いぐらいだ。

「それじゃあ家事のこと?」

「それはほとんどキミがしているじゃないか」

食事や洗濯、掃除などは紗神が進んでしてくれる。

僕は手伝う程度だ。

何でも仕事の合間にやる家事が楽しいらしく、家庭的なのが驚きだ。

「じゃあ何?」

「何って…だからキミが将来、本当に好きな人ができたら、僕なんて邪魔になるだろう? その前に縁を切った方が良いんじゃないかって思ったんだ」

紗神は呆れたようにため息をついた。

「はあ…。ここまで一緒に居て、何でそういう考えになるのか、不思議なんだけど?」

ここまでって、まだ一年しか一緒に暮らしていないんだけど…。

「オレはお前を手放す気はないよ。しかもずっとな」

「それもいつまでか分からないじゃないか」

「じゃあ何か? お前はいつ来るか分からない『いつか』の為に、別れると?」

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