この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
フリマアプリの恋人
第7章 秋桜の秘密
「…残念だけど、今週末はそちらに行けそうにないんだ。
出版社との急な打ち合わせが入ってしまってね」
…来月出版される柊司の学術本の共著の件だそうで、電話の向こうの柊司の声が寂しげに響いていた。
…気がつくと澄佳はこう告げていた。

「…私が平日にそちらに行ってもいいですか…?」
…と。

…大変な勇気を振り絞っての言葉であった。
プロポーズはされたが、まだ恋人になって間もない二人だ。
自分から男の自宅に押し掛けることは、厚かましいのではないかとの迷いがあったからだ。

しかしその危惧は全くの杞憂であった。
電話口の向こうの柊司はすぐさま声を弾ませた。

「澄佳さんが来てくれるの?本当に?お店は大丈夫?」
その反応にほっと胸を撫で下ろしながら、澄佳は頷いた。
「ええ。毎週水曜日が定休日なんですけど、隔週で連休を設けているんです。
だから今週は水木とお休みにしようかと思っていたので…」
その言葉に柊司の微笑む気配が届いた。
「嬉しいな。ありがとう。
…それじゃあ、水曜日のお昼に僕の大学のカフェテリアで待ち合わせしよう。
そこでランチをして、澄佳さんにマンションの鍵を渡すよ。
僕の講義が終わるまで先にマンションで待っていて。
大学は駅からすぐだから迷わないと思う。
…いいかな?」

柊司の提案に澄佳は心躍らせた。
…同時に少し心配になる。
「…でも、大丈夫ですか?
私が柊司さんの大学に伺って…」
柊司の温かな笑い声が響いた。
「もちろん。
…だって君は僕の恋人なんだから…」

心臓がきゅっと掴まれるように甘く疼く。
その上、艶めいた声が鼓膜をくすぐった。

「…愛しているよ、澄佳。
早く君に会いたい…」
/332ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ