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フリマアプリの恋人
第2章 鈴蘭のささやき
「わあ…!これ…澄佳さんのイヤリングだ!柊ちゃん!ありがとう!」
瑠璃子の頬が見る見る間に薔薇色に染まった。
病室のベッドの上で瑠璃子は飛び跳ねんばかりに喜んだ。
「よく買えたね、柊ちゃん!柊ちゃん、凄い!」
柊司はわざと得意げな表情をしてみせる。
「まあね。可愛い妹のために、オジサンは頑張ったよ」
「好き好き大好き!柊ちゃん!」
瑠璃子が柊司に抱きつき、音を立てて頬にキスをした。

その様子を見ていた由貴子が笑いながら諌めた。
「瑠璃ちゃんたら…。はしゃぎすぎよ。
柊司さんがご迷惑よ」
「だって嬉しいんだもん!ああ!澄佳さんのイヤリング…!」
感激したようにまじまじと見つめる瑠璃子に笑いかける。
「付けて見せて。瑠璃子」
「うん!」
瑠璃子は嬉しそうに洗面台の鏡の前でイヤリングを付け出した。

その様子を見守りながら、由貴子が声を潜めて柊司に尋ねる。
「…柊司さん、これ…柊司さんが買ってくださったの?」
「ご心配なく、母様。瑠璃子のお小遣いで買えるような安いものですよ」
…でも…と、はっきりと付け加える。
「安いけれどとても品質が良いものなんです。
ひとつひとつ丁寧に愛情を込めて作られていて…」
鏡の中から瑠璃子が目を合わせる。
「柊ちゃん、すっかり澄佳さんのファンだね」
柊司は咳払いする。
由貴子が遠慮勝ちに尋ねた。
「…澄佳さん…て…どなた?」
「このイヤリングを作った方ですよ。
ハンドメイドの作家さんなんです。
ちょっとした縁で知り合いましてね」
メリマのことは由貴子には内緒だ。
余計な心配を掛ける必要はないだろう。

「どう?似合う?」
瑠璃子が勢いよく振り返る。
桜貝のように可憐な色をした耳朶に透明感のある愛らしい鈴蘭のイヤリングが揺れていた。
清楚な鈴蘭のイヤリングは、瑠璃子にとても良く似合っていた。
「すごく良く似合うよ。とても可愛い…」
樹脂ピアスは透明なので、本当にピアスのようですっきりと洒落て見える。
瑠璃子は大きな瞳を輝かせて笑い…丁寧に礼を述べた。
「嬉しい…!柊ちゃん、本当にありがとう!」

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