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インピオ
第4章 一条家
 その結果、大悟はようやく大成した。

 出場した世界選手権では三位入賞を果たし、オリンピックでも個人団体で銀メダルを獲得するなど選手として十二分な実績を積み上げるに至った。

「・・・・っつ!!」

「大丈夫でしょ、これくらい。それよりちゃんとストレッチはしているの?」

「してるよ、試合前とか練習のあととか・・・」

「それじゃ全然足りないよ。お前は体が硬いんだから、ちゃんと解さないとケガするよ?」

 父親にしごかれた後のわが子のケアをしながら実里が告げるが遺伝的に屈強な肉体を持って生まれて来る一条家の男たちはみな力は強いが間接が硬く、せっかくの筋肉のしなやかさや骨格の稼働領域などを活かし切れていない傾向にあった。

 それを補うべく実里はかつて大悟にしたように、子供達にも整体や気功、ヨガなどを教え込み、柔道の練習と合わせて必ずそれらを実践させるようにしていたのだ。
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