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歳下の悪魔
第7章 変化

またウイスキーだけを注いでいるグラスに、和真は氷を足してくれた。
「本物が、欲しいの?」
言い当てられ、誤魔化すようにまたグラスを空ける。
「そっかあ……。そうだよね……」
彼も少し酔っているようでも、私と同じようにロックで呑み始めた。
暫くの間、聞こえてくるのは氷の音だけ。
「どうして、挿入、しないの……?」
「好きだっていう子としか、したくないから……」
私を本当に好きじゃないことは分かっている。彼の趣向を満足させるための性奴隷。私はそれでもいいと決心したはずなのに。
無理して呑み続けたせいでボトルは空き、和真はキッチンから新しい物を持って来た。
栓を開ける、小気味いい音。
その後に、彼の溜息が聞こえた。
「来週末は、どう?」
「えっ?」
俯き気味だった顔を上げる。
「来週、挿入しようか。本物を」
目の前で宣言されると、やはり照れてしまう。
「だからそれまで、拘束はなし。って言うか、会社以外では会わない。あっ、美月ちゃんに誘われたら、一緒に呑みに行くのはいいけどね」
何故か、和真の表情が、少しだけ苦しそうに見えた。彼には、何か理由があるんだろうか。
でも全裸なら、出かけた時のラブホで見ている。しっかり筋肉は付いていて、恥ずかしい体じゃなかった。しゃぶった性器も太くて長くて、自慢出来るくらいなのに。
「それで、いい?」
「うん……」
近くなのに、やっと届くくらいの声だっただろう。
日にちまで決められるとは思わなかった。
私と本物のセックスをするのに、和真にはそんなに決心が必要なんだろうか。
理由を考えようとするが、酔った頭は上手く回ってくれない。
「俺、もう部屋で寝るから。優華はここで寝ていきなよ。お休み……」
彼がリビングを出て行く。
私は何か、悪いことを言ってしまったんだろうか。
それさえも分からない。
和真の性器を挿入されて、思いのままに喘ぎたかった。ただ、それだけなのに。
もう収納場所は知っている。密で汚れたシーツを取り換え、私はリビングのベッドで寝た。

