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歳下の悪魔
第9章 告白
交代でシャワーを浴びる。
まだ、一緒に入るのは恥ずかしい。命令されていた以前なら、出来たかもしれないが。
リビングでは、もう2人とも水にした。
話しかけたくても、上手い言葉が見つからない。
「なあ、優華……。俺のこと、愛してくれる?」
「うん……。でも……」
「でも?」
昼間の物品部横の階段で聞いた、話の内容を告げた。
和真は、明らかに歳上の女性を誘っている。歳上なら誰でもいいのかという思いもあった。
「ああ……。あれは……」
「好きでも、浮気はもう、されたくない……」
元彼は、私の他に彼女がいた。もうそんな思いはしたくない。それに、この歳で後からフラれるのも正直厳しい。
「あの人は、違うんだよ。本当だから、信じてくれよ」
真剣な様子の和真に、ゆっくりと頷いた。
「もう奴隷なんて言わないから。はっきり、言ってくれよ……」
照れが入った表情の和真を見つめた。
「和真のこと、愛してるよ」
「それなら……。結婚を前提として、付き合ってください」
彼の声が、微かに声が震えている。
でも“結婚”だなんて、急すぎて混乱しそうだった。
「今すぐって、わけじゃなくて……。でも、優華を、離したくない……」
「私で、いいなら……」
未来はどうなるか分からない。和真だって、もっと若い子に目が向く可能性もある。でも、それでも構わない。今、求められているのなら。そう思えた。
「二課には、まだ秘密なんだけど……」
切り出されて、会社にも隠しことがあったのか、と思ってしまう。
「俺。数年で今の会社を辞めて、親父の後を継がなくちゃいけないんだ」
「後継ぎ、なの?」
「ああ……」
それなら、犯罪者の家系と言ったのは、私を試したんだろう。
「私は、仕事を続けてもいいよ」
今時、共働きなんて当たり前。経験は長いから、敦子のように結婚しても働けるはず。
「優華には、うちの会社を手伝って欲しいんだ……」
「うん。それでも、いいけど?」
もし和真に捨てられなかったらのことでも、彼は真剣に話している。