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歳下の悪魔
第4章 目論見(もくろみ)

◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
家に戻り、部屋のあちこちを見て回る。
「あ……」
懐中電灯を使って見ると、大きめの機械がベッドの下の奥にあった。これなら、掃除機をかけても気付かない。同時に、私に取ることは出来ない位置。
諦めてテーブルに着き、頬杖をついた。
盗聴器というのは、もっと小さい物だとテレビで観たことがある。
パソコンを出して来て、盗聴器の聞こえる範囲を調べた。
会社でパソコン仕事だから、家では滅多に使わない。仕事内容は機密事項だから、家には持って帰ることは禁止されている。簡単な調べものなら、スマホで充分。古い型のパソコンでも、遅いが問題はなかった。
見つけたのは、インターネットを経由して世界中どこからでも聞ける盗聴器。そんなものがあるなんて、知らなかった。
大きさからして、これだろう。
でも普通に生活する分には、聞かれて困ることはない。聞かれるのは、どんなテレビを観ているかくらい。話す相手もいないし。
それなら、開き直るしかないだろう。オナニーさえしなければ、問題はない。
何時に寝て、何時に起きて。シャワーを浴びる時間や、どんなテレビ番組を観ているかなんて、知られても構わない。
和真だって、会社から戻ってずっと聞いているわけじゃないだろう。
そう考えた方が、気が楽になれる。
パソコンを閉じた時、スマホが鳴った。美月からだ。
「もしもし?」
《土曜日の合コン、大丈夫だよねー?》
「ん。大丈夫」
何度も美月に言われ、気晴らしに行くことにしていた。
《絶対だよー。もう人数揃えちゃったからねー。いきなりやめるなんて、ナシだよー?》
「大丈夫。土曜の、何時から?」
《女子は17時に、渋谷駅のLって喫茶店に集合―。女子は5人だからー、先に顔見せした方がいいでしょ? 呑み会は、18時からー》
さすが、元合コンの女王。今の彼氏が出来るまでは、週末は合コン三昧。金土と続けての時もあり、今の彼氏と出会った。付き合ってからの一年は大人しかったのに、最近彼氏に飽きたんだろうか。
でも、それは美月の自由。
私と元彼の出会いも、7年前の合コン。私は7年間、ずっと合コンには出なかった。
《一応、時間と場所はメールしとくからー》

