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第14章 有明月


「……私の初恋のお相手も、お兄様だって、知ってらした――?」


雅は私の横顔に向かって静かに微笑むと茶器をテーブルに戻し、私から月都へと、視線を移す。

「………………」

くしゃり。

私の手の中のブランケットが、大きく波打つ。

風に吹かれたのか、男にしては長い睫毛が微かに震えた。




「……知っていたよ――」




そう呟くと、私は静かに再び目を閉じた。




(雅……。お前が敦子を殺してまで、私を欲するよう……、そう仕向けたのは……、
この『私』なのだから――)




後ろに控えていた東海林はゆっくりと顎を上げ、高く突き抜ける様な初夏の空を仰ぎ見た。

東の空には、白くて儚い、有明の月があった。







≪了≫
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