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第1章 アリョーナの旅路

さて、アタシがアメリカ合衆国本土に渡りまして新しい生活をしていた時に、生まれ故郷のハバロフスクの実家では、二番目の兄が嫁さんと一緒にイルクーツクにある嫁さんの実家へ転がり込んだ後、そのまま帰らなくなってしまいましたので、家には跡取りが不在になっていました。

困った両親は、ナホトカで暮らしていましたイトコ夫婦をハバロフスクに呼びまして、イトコを貿易商の跡取りにしていたので、ハバロフスクの実家にはアタシの居場所はどこにもありませんでした。

2013年１月７日、この日はロシア正教のクリスマス(ロシアの国民の祝日)の休日でありました。

この日、アムール川沿いにある緑茶公園内にあるパールスホテルにて、アタシの遠い親戚の本家の長男さんが職場恋愛で知り合った女性との挙式披露宴がとり行われていました。

ホテルのエントランスのロビーには、親族のみなさまや職場の同僚のみなさまがたくさん集まっていまして、披露宴が始まるまでの間お茶をのみながらリラックスをした表情で過ごしていました。

アタシの実家の両親とイトコ夫婦も披露宴に出席をしていました。

新郎さんがエントランスのロビーにごあいさつに来ていまして、出席者のみなさまにひとりずつごあいさつをしていました。

それから20分後に、披露宴の準備が出来上がりまして出席者のみなさまは、ロビーから披露宴場へ移動しまして指定された席に次々と座っていまして、披露宴が始まる時を待っていましたが、この時に新婦の控え室で事件が発生しました。