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第1章 アリョーナの旅路

…と言うわけでお見合いは始まりましたが、早くも雰囲気は険悪な状態になってしまいました。

ボブさんは、出されたハンバーガーを大きな口をあけて豪快に食べまして、コンソメスープのいただき方も音を立てていた…

アタシは『ボブさんはテーブルマナーをゼンゼン理解していないようだわ…』と思いまして、表情がしらけていました。

ボブさんは、食事を終えた後にタンブラに入っているミネラルウォーターをごくごくとのみましてから、おかみさん夫婦にこう言ったのでありました。

「おかみさん…今すぐに…アリョーナさんと結婚がしたいので…月曜日にでも婚姻届けを出しに行きますから…」

ボブさんが唐突にアタシとの結婚を申し込みましたので、おかみさんは困り果ててしまいました。

「ボブさん、結婚したいと言うお気持ちはよく分かりますが、もう少し時間を置かれてからでもよろしいのではないでしょうか？」

おかみさんは、ボブさんにじっくりと話し合いをしてからご結婚を決められた方がよろしいのではないかと言いましたが、ボブさんはますますイコジになってしまいました。

「いいや!!待てない!!」
「ボブさん。」
「じっくり時間をかけて話し合えと言われても…何をどうやって話し合えと言うのですか!?」
「どうして話し合うのかって…結婚は大切な問題なのだから、話し合いをしないと…」
「そんな時間なんか１分もないのだよ!!オレは35歳であとがないのだよ!!」
「ボブさん。」

ボブさんは、ますますイライラした表情になっていましたので、ボブさんのお母さまはおかみさんにこう言いました。