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アリョーナの旅路
第1章 アリョーナの旅路
そして2月8日、トリニティ教会のすぐ近くにある洋食レストランにて、アタシとボブさんとのお見合いが行われました。

ボブさんは、お母さまと一緒に約束よりも30分早くレストランに到着をしていたました。

テーブルの上には、スープのお皿とスプーンとミネラルウォーターが入っている大きめのタンブラが置かれていました。

ふだんならば、料理長おまかせのフルコースランチでいろんな料理が出てくるようになっていましたが、あまりにも急な予約でありましたので料理長さんがウンザリいたしまして見習いのコックにマクドへ行ってビックバーガーを買ってこいと言うことで、店で用意できるのはコンソメスープだけとなっていました。

インテリア家具屋さんのおかみさんはソワソワしながらアタシが到着するのを待っていました。

ボブさんはイライラキリキリとした表情になっていましたので、お母さまは表情がうろたえていました。

ボブさんのお母さまは、おかみさん夫婦にこう言いました。

「あのー、すみませんけれども、お見合いの日にちを替えてほしいのですが…」
「日を替えてほしいって?」
「ボブは、気持ちがすごくイライラしているし…それにあまりにも急なので…」

お見合いの雰囲気がすごくよどんでいる中で、アタシは約束のギリギリの時間に店に到着をしていました。

アタシは着てゆく服がありませんでしたので、濃いピンク色のキャミソールでブラのストラップが見えている状態の上から白のブラウスを羽織りまして、ボタンは1個だけ止めまして、下は黒のデニムパンツをはきまして、足もとにはボロボロになっているスニーカーをはいて赤茶色のバッグを持って店にやって来ました。

これには、きちんとした服装でお見合いの席に来ていましたボブさんとボブさんのお母さまはビックリしていました。

濃いピンク色のキャミソールでブラのストラップがちらりと見えていまして、ブラウスをボタンをきちんと止めていないアタシをみまして、最初はナイトクラブのホステスさんかと思っていました。

あのね…

これしか着て行く服がなかったのよ!!

アタシはこの時、ふてくされた表情になっていました。
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