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第1章 アリョーナの旅路

11月28日のことでありました。

明日は待ちに待った５万ユーロのお給料が入ると言う日に、ヒーラーさんが金銭面でトラブルを起こしていたことが発覚しました。

この日、ヒーラーさんの学生時代の友人がアタシのもとへやって来まして『あいつ、オレから借りたアイパッドを返さずに逃げ回っているようだ…あいつが起こしたトラブルはカノジョであるあんたが責任取れよ!!』と言いまして凄んで来ました。

話によると、ヒーラーさんは友人に『アイパッドを買おうと思っているから見せてほしい。』と言いましてアイパッドを見せてもらいました…アイパッドをみせてもらったヒーラーさんは友人に『アイパッドを使いこなせるように練習したいから貸してほしい。』と頼みまして、友人からアイパッドを借りました。

それから一週間後、友人は約束の時期が来たからアイパッドを返してほしいとヒーラーさんに言いましたがヒーラーさんはまた今度また今度と言い続けまして、返す期間を先伸ばしにしていました。

ヒーラーさんは、友人に使いこなせるように一週間かけて練習をすると言って借りたアイパッドを質屋さんに入れまして6000ユーロを借り入れていました。

ヒーラーさんが友人からアイパッドを借りたのは３週間前の11月７日のことでありましたので、友人はおかんむりになっていました。

それを聞いたアタシは『ヒーラーさんはアタシをグロウしたのだから許さない!!』とブチ切れてしまいました。

そのヒーラーさんは、友人からアイパッドを返せと言われたので、11月28日に質屋に行きまして6000ユーロを返しに行きました。

しかし、店主から利息分を払ってくださいと言わたのでヒーラーさんは困ってしまいました。

ヒーラーさんは、実家へ行きましてカネをユウヅウしてほしいとお願いに行きましたが、家族から『ナマケモノのお前に与えるゼニなどない…』と怒鳴られたあと『お前は私の家族でもなんでもないから…』と冷たく突き放されてしまいました。

そのために、怒りの矛先をアタシに向けてきたのでありました。

そしてとうとう、11月29日の夜にアタシとヒーラーさんはひどい大ゲンカを起こしてしまいました。