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アリョーナの旅路
第1章 アリョーナの旅路
「デパートの仕事を、1日でやめちゃったの?」
「うん。」
「どうしてやめたりなんかしたのよ?」
「どうしてって、上得意さんのお客様とか…お得意様のお客様相手の仕事は、アタシには合わないのよ…とにかく、頭の痛いことばかりが多すぎで…正直言ってしんどいのよ…」
「困ったわねぇ…」
「あのねぇ…アタシはチュウボウで食器洗いとかデスクワークなどの…お客様と合わない仕事しか知らないのよ…ナスティアは、なれない仕事でも少しずつなじんで行けばいいのじゃないと言うけれど…ああ…頭がゴチャゴチャしてきたわ…」

アタシは、ミニッツメイド(果汁エード)の350ミリ缶のジュースをゴクゴクとのんで、大きくため息をついてから、ナスティアにこう言いました。

「あのねナスティア…アタシね…正直言ってね、パリに来るのじゃなかったと思っていたところなのよ。」
「アリョーナ、それじゃあ聞くけれど、この先どうやって行くのよ?他に行くところはあるの?」
「ないわよ。」
「ないわよって…それじゃあ、アリョーナはこの先どうやって生きて行くのよ?」
「アタシね…この際だから…ハバロフスクへ帰ろうと思っているのよ。」
「ハバロフスクに帰るって…あんた本気なの?」
「だって…パリにいたとしても、アタシの身丈に合う職業がなくブラブラしているわけにも行かないし…いっそのこと、今日中にパリから出発しようかなと思っているのよ。」
「ちょっとアリョーナ、今日中にパリを出発して、列車の乗り継ぎを続けてハバロフスクまで行くと言うけれど…今の時間帯に出発をしたらハバロフスクには1ヶ月後に到着をすることになるのよ…それでもいいの?」

ナスティアからの問いに、アタシはこう答えました。
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