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アリョーナの旅路
第1章 アリョーナの旅路
それから20日後の8月27日のことでありました。

フィリップさんは、家族間のもめ事が深刻になってしまったことを苦に家出してしまいました。

フィリップさんのお父さまは、フィリップさんが家出をしていなくなってしまった、気落ちをしてしまいました。

その上にまた、虫の知らせが入ってきたのでありました。

フィリップさんが家出をした同じ日の正午前に、フィリップさんのお母さまがパート先の職場で倒れました。

フィリップさんのお母さまは、救急車でノートルダム橋の近くにある私立病院に緊急搬送されました。

フィリップさんのお母さまは、病院に搬送された後に集中治療室に入りました。

医師からの話によりますと、フィリップさんのお母さまはくも膜下出血を起こして、危険な状態であることが明らかになりました。

フィリップさんのお父さまと妹さんは、どうすることもできずにただただしくしくと泣いてばかりいました。

アタシはこの時、フィリップさんのお父さまと妹さんに思い切りキレてしまいました。

何なのよ…

非常事態におちいっているときに…

どうして、自分たちの力で乗りきろうとしないのよ…

情けないわ!!

アタシはこの時、フィリップさんとの結婚生活が破綻したので、離婚をしようと決意しました。

アタシは、フィリップさんのお父さまと妹さんがしくしく泣いている間に、荷物の整理をしまして家を出る準備をしていました。

これ以上フィリップさんの家にいれば、アタシはフィリップさんの家に圧迫されてしまう…

アタシは、強い危機感をますます募らせていました。

荷物の整理が終わった後、アタシはボストンと赤茶色のバッグを持ちまして、フィリップさんの家から逃げ出しました。
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