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アリョーナの旅路
第1章 アリョーナの旅路
「あのね…うちのむすめから聞いた話なのだけどね…ううん、やめておくわ…こんなことをアリョーナさんに話してもいいのかどうか…」
「あのー、どうかなされたのでしょうか…娘さんから聞いた話と言うのは、どういうことなのか教えてください。」
「分かったわ…それじゃあ…気をしっかりして聞いてちょうだい!!フィリップさんがね…区役所の女性職員と…フリンの関係を持っていたと言うウワサが、流れているのよ…しかも…フィリップさんは…そうとうのめりこんでしまったそうよ…」
「フィリップさんが…フリン?」
「問題の女性職員はね…婚約者がいるのに、婚約者をそっちのけにしておいて…フィリップさんとデキてしまったのよ!!婚約者の親御さんがカンカンに怒っていたわよ!!」

えっ…

もしかして…

アタシの動揺は、さらに拡大していたのでありました。

年輩の女性は、このあとアタシにきつい言葉をぶつけました。

「アリョーナさん!!あんたはね!!結婚相手を間違えて選んだようね!!」
「それはどういう意味なのですか!?」
「意味はないけど…あんたさ、フィリップさんの妻として恥ずかしいとは思わないの?自分のダンナもコントロールできないのかしらね…アリョーナさんは、その前にも結婚生活に失敗していたし…生まれ故郷のハバロフスクの家にいた時には、お見合い結婚を反古にして逃げ出してきたと聞いているし…」
「やめてください!!これ以上アタシの過去をむしり返さないで!!」

アタシは、なおもキツイ言葉を言われてしまいましたので、頭の中でパニックを起こしていました。

アタシはこの時でありましたが、パリにも居場所をなくしてしまったことに気がつきまして、途方にくれていました。
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