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アリョーナの旅路
第1章 アリョーナの旅路


フィリップさんと離婚をしましたアタシは、再びひとりぼっちの暮らしに戻ってしまいました。

アタシは、生まれ故郷のハバロフスクにある実家に帰ることができないまので、引き続きナスティアが暮らしているアパートに転がりこむことになりました。

仮に、ハバロフスクにある実家に帰ったとしましても、アタシの居場所はどこにもないと思います。

その上にまた、タメルランと連絡が取れないままの状態でありましたので、アタシの気持ちはなおもギスギスしていたままになっていました。

フィリップさんとフィリップさんの家の親族との対立を抱えたまま離婚をしましたので、アタシの乳房(むね)の奥の傷はより深くなっていました。

どうしようかな…

この先、アタシはひとりぼっちで生きて行くことになりますので、不安はいっそう拡大して行くばかりでありました。

2012年10月1日、アタシは新しい居場所を作るためにアメリカ合衆国本土へ渡ることを決意しました。

そのためにはまず、お金を稼がなくてはなりませんでした。

アタシは、サンジェルコン・デーフレにあるクルス・ドゥ・パリ・マビヨン・エスパス・ピザ(ピザ屋さん)でバイトを始めました。

ピザ屋さんのバイトだけではとても足りませんので、他にも複数のナイトクラブやパブなどをかけもちをしまして、合計2~3万ユーロを稼いでいました。

稼いだお給料のうち、2万7000ユーロは渡米のための資金と渡米後の生活費と滞在用のビザを取得するための費用として貯金をすることにしました。

残りの3000ユーロのうち2500ユーロはナスティアのアパートの家賃の一部として使いますので、自由に使えるのは500ユーロでありました。

残った500ユーロを使いまして、1個70セントのパンで3食を摂るなどしまして、切り詰めて生活をしていました。

ハバロフスクから飛び出したアタシは、もっともつらい時期に来ていましたので、一定の金額がたまったら早いうちにアメリカへ渡ろうと思いまして、一生懸命になりまして気持ちを奮いたたせていました。
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