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第1章 アリョーナの旅路

アタシがバイトをしているピザ屋さんには、ランチ時やティータイムになりますと、いつものようにキンリンの大学の学生たちでにぎわっていました。

店にやって来ました学生さんたちは、ピザを食べながら将来の夢や希望をざっくばらんに語り合っていました。

アタシは、そんな話を聞くたびに顔が曇っていました。

昼間のバイトを終えたアタシは、サン・ミシェル広場に行きましてひとりぼっちでベンチに座りましてぼんやりと考え事をしていました。

今のアタシには、恋人を作って結婚をしたいと言う気持ちは頭の中にはなかったのでありました。

フィリップさんとの二度目の結婚生活が破綻した時に、アタシはもう結婚なんかするのじゃなかったと思っていました。

アタシのギスギスした気持ちは、フライグブルグにいたときにヒーラーさんとの結婚生活が破綻した時もそうでありましたし、さらにそうしたギスギスが生じたのはハバロフスクにいた時に生じていました。

アタシは…

どうして結婚生活が長続きをしなかったのかな…

どうしてアタシは、良縁に恵まれなかったのだろうか…

アタシは、そう思うだけでもますます悲しくなっていました。

アタシは、一定の金額をためることができましたら、すぐにアメリカ合衆国本土へ渡りまして、そこで幸せ探しをしようと決意しました。