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黄昏異変 肉欲の奈落
第1章 女医 早苗
 亡くなった母の幸子は、何かといえば浩二の噂話をしていた。
 母の言葉の端々に、浩二への好意が滲み出ていた。
 母が抱いた浩二への好意は、母から娘に伝染した。
 そこに降って湧いた母の突然の死。
 その死を契機に早苗の浩二への好意は加速した。

 それが、急速に好意から情愛に変わっていったのには、もう一つ母と娘の秘密があった。

 早苗は、次第に高まるその想いを浩二に伝えたいと思った。
 母が会わせてくれた浩二に、母の葬儀で想いを伝えたら、きっと叶う。
 そんな思いが、いつの間にか早苗の心を占めていたのだ。

 チャーターした船は真っ白で、二人だけの乗船には大き過ぎた。
 青く広がる静かな海原。
 青空を背に聳え立つ美しい富士。
 白く塗られた広すぎるデッキ、二人だけの寂しい船室。

 その何もかもが、母を送る早苗の胸を悲しみで満たした。

 遺骨はすでに葬儀社が引き取って粉砕し、紙袋に入れられ事前に準備されていた。
 船が所定の海上に着くと係り員の指示に従い散骨した。
 二人は遺骨の入った真っ白な紙袋を海に投げた。
 その海原に向かって白い百合の花を手向け、海葬はあっけなく終わった。
 涙を拭う早苗の肩を浩二は優しく抱いた。
 早苗は浩二の胸に顔を埋めてしばし嗚咽した。
 喪服の早苗は清楚で可憐だった。
 その喪服の襟口からのぞく早苗のうなじに真っ白な真珠が連なっていた。
 綺麗に整えられた襟足と白いうなじ・・・・。

 (色っぽいなァ)

 肩を抱く浩二の手が微かに震えた。
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