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純愛ハンター
第1章 裁き1、中出し野郎に愛のフタを
「このサイトってマジなの…?もしマジならあのクズ野郎に復讐出来るかも…でもメッチャ怪しい…どうしよう…」

ある女性はパソコンに向かいながら、フリーペーパーの広告に載っていた怪しげなサイトを見ながらひとりそう呟いた。

「あのクズ野郎…絶対に許さないっ!絶対に私以上の苦しみを味わせてやるんだ…!ふふっ…あはははっ!」

ある女性は迷惑メールに載っていた怪しげなサイトを開くと、スマホを操作しながらひとりそう怒りをぶちまけた。

「ううっ…もう嫌…限界…こんな地獄がずっと続くんならいっその事…もう…どうにでもなれっ…!」

ある女性は怪しげなチラシに載っていたサイトの『お問い合わせ』フォームに必要事項を書き込むと、震える手で『送信』ボタンをクリックした。

………ひとり孤独に思い詰めた女性たちの行き場のない恨みのエネルギーは、大きな怨念の塊となってふたりの女の元へと向かっていた!


「…ようやく形になってきたわね」

玲子は30坪以上あるだだっ広い事務所の中を歩き回りながら、事務用デスクや接客用のソファやキャビネットや観葉植物の位置を再確認していた。

「イイ感じ…とってもイイ感じだわ」

2階まで吹き抜けになって開放感バツグンの高い天井、街の夜景が一望出来る大きなガラス張りの窓、床や壁にランダムに組まれたアンティークレンガ。事務所の内装は何から何まで玲子のオーダー通りに仕上がっていた。
ベリーショートが良く似合い、20代前半とは思えぬ威圧感漂うキツ目の顔立ちと真っ赤なスカートスーツを難なく着こなす完璧なスタイルを持つ玲子には、これ以上なく似つかわしい事務所だった。
初々しい建材の香りが鼻をつく中、玲子は左手首の革製のブレスレットをそっとずらすと…手首の内側に刻まれたいびつな傷跡に鋭い視線を向けた。

「………」

玲子はその傷を見ると、全身が身震いするほどの新鮮な怒りが蘇るのだ。
その傷は玲子にとって、いつでも初心を思い起こさせてくれる愛すべきシンボルでもあった。

(不倫…二股…淫行…援交…その程度の事を悪だとか言って正義ぶって叩いてる脳天気な奴らに知らしめてやるんだ…世の中にはもっと悪どい奴らが…女の純愛を涼しい顔して踏みにじる人間以下のクズどもがウジャウジャとその辺で普通に生活してるって事をね…きっと仇を討ってやるからね…)
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