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復讐の味は甘い果実に似て
第7章 割れない数字 ~恵梨の告白~
 俊ちゃんの不可解な行動の理由がわかったのは、わたしが告白されて、ちょうど1カ月たったころだった。
 俊ちゃんは苦しそうに、心の底で抑えつけている辛い記憶を、わたしに話してくれた。
 そして、最後は泣きながら、浮気だけはしないでくれ、とわたしに求めてきた。
 
 この人は、わたしなんかを信じてくれるんだ。
 わたしみたいな女を信じて自分の苦しみを打ち明けてくれているんだ。

 俊ちゃんの告白を聞きながら、わたしは同じように泣いていた。
 自分の胸のなかで、涙を流しつづけるこの人の苦しみを、少しでも、楽にしてあげたいと思った。

 そして、その日、わたしたちは初めて結ばれた。
 さんざん男の子と遊んできたわたしみたいな女の子が「結ばれた」などというのは、馬鹿みたいに思うかもしれないが、その時のわたしは、本当にそう感じたのだ。
 まるで迷子のように、戸惑いながらわたしを求め、膣内に入ってこようとする彼の前で、わたしはうれしさで涙を流していた。

 何もかもが、わたしの知っている男の子とは違う。
 こんなにもわたしを信じてくれて、わたしを大事に思ってくれている。

 彼の初めてらしい拙い腰使いも、戸惑うような愛撫も、何もかもが愛しかった。
 その夜、わたしたちは、お互いにボロボロと涙を流しながら、汗と涙でグショグショになるまで、ひたすらにお互いを求めあっていた。
 そして、その日、わたしは彼のことを始めて俊ちゃん、と名前で呼んだ。

 俊ちゃんは、わたしの膣内に入ったまま、わたしをきつく抱きしめて、長い長いキスをくれた。

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