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復讐の味は甘い果実に似て
第7章 割れない数字 ~恵梨の告白~
 翌日から、俊ちゃんは早くも動き始めた。
 恵梨の卒業を待って、一緒になりたい。
 だから、指導教授の推薦を取り付けて、夏には就職を決める。
 そのためには、今みたいなやり方じゃダメなんだ。もっと頑張らないと。
 会える時間は減るかもしれないけど、我慢してほしい。
 
 俊ちゃんは、わたしにそう言った。
 俊ちゃんがそれほどまでにわたしのことを想ってくれているのが、ただ、嬉しかった。
 人に愛される、というのはこういうことなんだ、と、心の底から嬉しさが沸き上がるのを感じた。
 
 結局、普通の恋人らしい付き合いは1カ月で終わり、わたしは夜遅くに帰ってくる俊ちゃんを、俊ちゃんの部屋で出迎えては、求めあうようにセックスをするようになった。

 でも、それは前の男たちのようなものとは全然違っていて、わたしが少しでも俊ちゃんと一緒にいたいという気持ちからだった。俊ちゃんが疲れているときはフェラだけでも、たとえ、抱き合って眠るだけでも、わたしは満足だった。

 そんな生活を続けるうちに、俊ちゃんはどんどんセックスがうまくなっていき、今度は毎日のように、わたしがイカされるようになっていった。

 そして、俊ちゃんはわたしに宣言した通り、見事に内定を勝ち取った。
 その足で、俊ちゃんはわたしの部屋に来て、プロポーズしてくれた。
 俊ちゃんはわたしの自慢の彼氏のまま、将来の旦那さんになったのだった。

 多分、俊ちゃんとの出会いは男漁りで荒んだ生活をしていたわたしに、神様がくれた最後のチャンスだったんだろう。
 わたしは自分の身の幸せを噛みしめつつ、俊ちゃんとの生活を心の底から満喫していた。

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