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復讐の味は甘い果実に似て
第7章 割れない数字 ~恵梨の告白~
 本間には電話をかけて、酔った勢いで無理やりされた、という話を了解させた。
 本間はそういう言い訳をすればいい、とセックスするときに散々言っていたくせに、いざとなると、無理やりじゃなかったとか、合意だったとか、見苦しく言い訳をはじめてわたしを苛立たせた。
 何で、こんなクズみたいな男に体を許してしまったんだろう、と改めて悲しくなった。

 明日香には婚約の話がなくなることと、サークルを辞めること、そして、既に本間と話をつけた作り話を泣きながら話した。

 だけど、わたしの浅はかな企ては、ただただ空しく愚かなことだった。
 この時点で、俊ちゃんはもう、何もかもを知っていたのだ。
 
 結局、わたしはさらに嘘をついて、俊ちゃんへの裏切りを重ねたあげく、明日香とひかるまで、復讐の道具として売り飛ばしてしまった。

 そして、わたしはそのことの意味を知ろうともせずに、目を背けて逃げていた。
 わたしへの復讐の道具として、明日香が俊ちゃんに抱かれる瞬間まで。

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