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復讐の味は甘い果実に似て
第7章 割れない数字 ~恵梨の告白~
「ふう、なかなか上手いじゃん。ああ、顔はそのままね。君みたいなきれいな子に、精液マーキングとか、すごく興奮するからさ。」
 どっぷりと白濁に塗れたわたしの顔を満足げに見ながら、男が下卑た声で話してきた。
 こんな男に褒められても、何もうれしくない。
 ただただ、空しいだけだ。
 
 だが、とりあえず射精して落ち着いたらしい男が、さらにわたしに指示を出してくる。
「じゃあ、次は、シックスナインいこうか。お尻を向けて俺にまたがって。」
 男の言う通り、わたしは男の顔の上に跨り、射精して力を失ったペニスを咥えた。
 だが、男のクンニは口ほどにもなく単調で、わたしをさらに失望させた。

「ねえ、絶対、外に出すからさ、生でやらしてくんない?」
 男はペニスを咥えたままのわたしに向かって聞いてくる。
 わたしは今さらながら、この男のクズさにいい加減、嫌気がさしてきた。

「ダメに決まってんでしょ。」
 わたしは枕元のコンドームを手に取ると、口にくわえて、そのままペニスに被せる。
 こういう手合いに、まともに避妊をお願いしても仕方ないことを、わたしは知っている。ややこしいことを言い出す前に、さっさとこっちでつけてしまう方が早い。

「……まあ、いいや。じゃ、挿れるよ。」
 わたしの中に男のペニスが侵入してきて、ゆっくりと抽送を始めたが、別に、どうというほどのものではなく、わたしはさらにこの口先だけの男に幻滅した。

 俊ちゃんはそういう動かし方は絶対にしなかった。
 わたしの反応を見ながら、感じるところをいろいろ探してくれた。
 わたしの体で、俊ちゃんはセックスを上達させていったのだ。
 復讐の夜、わたしの目の前で、明日香やひかるが絶頂を迎えているとき、わたしは嫉妬に狂いそうだった。
 あなたが今、感じているその快感は、俊ちゃんが与えている快感はわたしだけのものだ。
 そう言いたかった。
 
 だが、今、わたしが身を任せているのは、この口先だけのクズだ。
 クズなわたしには、お似合いというべきだろう。

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