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第1章 現実世界（リアル）での高嶺

所詮どちらもバーチャル、ネット、2次元でのこと。
現実世界（リアル）ではそうそうお目にかかることはない。




が、国内有数の某お菓子メーカーの営業部にはネットから飛び出してきたような人物がいた。


それも二人ーーー。





稲葉康之（いなばやすゆき）32歳
営業部課長
課長になった今も自ら営業に出ることがあり入社時よりずっと成績上位、高収入、184センチ、東大卒、タワマン住み、恐ろしく整った顔立ちで誰もが認めるイケメン。
営業先でも社内でも悪い評価なんて聞かないし、包容力もあるから男性社員からは癒されると女子社員からは理想の旦那様として憧れの的。
いわゆる『スパダリ系』なのだ。


佐倉彩華（さくらあやか）27歳
営業補佐
入社時より事務作業においては人一倍早くこなし、要領と頭の回転が速い。女性にしてはやや背は高めでハーフかと見間違うほどの美しい容姿。背筋を伸ばして歩く姿はモデルのようだ。
男性、女性共に分け隔てなく接し、表に出過ぎることなく営業マンを支える。
完璧すぎる振る舞いに社内では好印象。
いわゆる『チート系』もしくは『才色兼備』だ。