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レディー・マスケティアーズ
第10章 ポルトス&ダルタニァン ――パークサイド・パレス
「あの頃のこと、忘れてはいないでしょうね。新入社員に採用してやったからと恩を着せて、わたしをベッドに縛り付け、あなたたち三人は代わる代わるわたしを犯した。来る日も来る日も……」
 桜井美里が、ゆっくりゆっくり男たちを見回した。
「誰かしら。ディルトをわたしの下の穴に埋め込み、上の口に自分のものを突っ込んだ。それだけでは足りなくて、アヌスまで汚した。どんなにわたしが泣いても、止めようとしなかった。誰かしら? あなた? それとも……」 
「おっ、おれだ」
 辛抱できずに、浩一が答える。
「そうだったのね。なら自分の番が終わってから、ほかの男がわたしを犯している一部始終を笑いながらカメラに撮っていたのは? あなたかしら? このことをしゃべったら動画をまき散らすって、わたしを脅したのは……」
「すまん。悪かった」
 涙目の茂が、床に頭を擦り付ける。
「じゃあ、『もう許して』と懇願するわたしに、『そんなにつらいなら、ここから飛び降りたらどうだ』と、窓のそばまで連れて行ったのは? 最期の日にわたしを犯したのも同じ男だった。あれは、残ったあなたの仕業?」
「やっ、やめてくれ!」
 田野倉が両手で耳を塞いだ。
「認めるのね。三人とも、自分のしたことを。自分たちが犯した罪を」
 桜井美里の濡れた髪が舞い上がる。また一陣の風が舞った。
「六月二十日。わたしがこの窓から舞い降りた『あの日』も雨だった。償ってもらうわ。命と引き換えに、あなたたちに償ってもらうわ」
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