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レディー・マスケティアーズ
第7章 アラミス ――カフェ・アレクサンドル
「さあ。今日初めてお会いしたお二人に、わたしからのプレゼント」
 菜緒美は、さっ二人が引いたカード――二人が手に持ったままのハートのエース――を抜き取ると、日本の指で裏に返して、もう一度二人に手渡した。さっきまで裏面にあったアンティーク模様は消えており、「NAOMI」の文字と電話番号が現れた。
「何てことだ」
茂が声を上げた。
「いや。それより、ほかにも特技があるんだよな」
我に返ったのは、浩一のほうが先だった。
「もちろん。何でもおっしゃってくださいな。ギャラさえもらえれば、どんなことでも。何をお望みです?」
 菜緒美は、顔色一つ変えずに言った。
「いや、だから……」
「早くおっしゃって。それより、わたしの嫌いなものをお教えしましょうか」
「嫌いなもの?」
「ま・え・お・き。人生の時間には限りがある。永遠に終わらない夜はない。だから、無駄は省きましょうよ。お客様は、何をお望み?」
菜緒美が、男たちにぐっと顔を近づける。耳から垂らした大きめのピアスが、カランと音を立てた。
「わかった。だったら、わたしたちからの提案だが……」
 二人のうち度胸の据わっているのは、やはり年長の茂だった。菜緒美に顔を近づけると、その耳元で何かささやく。ピアスが小さく揺れた。
「いいわ」
 女ディーラーは、そっけない口調で答えた。返事を聞いた茂は、ぽかんとした顔のままタバコに火を点けると、大きく煙を吹き上げた。
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