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第9章 病院

　点滴……、えっ……、私……。病院……？
　
　手のひらをグー、パーと動かしてみる。なんだか引きつったような感じ。
　
　包帯してる。
　
　右側に身体を捩る。痛いっ！　身体のあちこちに激痛が走った。
　
　私、ケガしてるの？
　
　部屋に近づくパタパタという急ぎ足のスリッパのような音――。
　
「田城さん……。ああ、よかった。気が付きましたね。大丈夫ですか？」
　
　少し体格のいい若い男性の看護師さんの四角い顔が、私を覗き込んで言った。その声に、私は小さくうなづく。