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第6章 ６　本番の無いソープランド葵

「あれは違います」

「何が違うだ、生で入れさせて、最後は中出しまでさせている」

　それは完全な誤解だと言う事をどうにかして信じてもらわなければならな

い。でもどうやって。

「誤解よ、誤解。あたしも大介さんが誤解してるならその方がいいかと思っ

て否定しなかったのだけれど、本当に誤解。素股でしかしてないの」

「興奮してずっとモニターから目を離さず見ていたけれど、どう見てもあれ

は入れているとしか見えない」

「それが誤解なの、ちゃんと画像を見て！」

「自分で見てみるが良い」

　夫はそう言うと居間のテレビモニターを切り替えた。映画が見たいからと

言って無理して買ったシャープの７０インチの大画面いっぱいにあたしと大

介が絡み合ってキスしているシーンが大写しになる。

　恥ずかしい。夫には見られたくはなかった。画面の中のあたしは間違いな

く自分からキスをせがんでいる。

　やがてパイズリから根元まで飲みこむ勢いでコックを咥え込むあたしの姿

が大写しになり、夫がズームの機能で操作している事が分かった。画面は二

方向から映している事から、カメラが二台ある事、それぞれ切り替えたり或
いは一